危機管理・自己管理
やっていますか?

清水建設 外口透

 平成9 年に京都・滋賀方面担当に替わってからは(地域デザイン)研究会にもご無沙汰ばかりで、なかなか分科会にも顔を出すことが出来ません。それにもかかわらず、案内をFAX やメールで送って下さる道下さん、鎌田さんにはいつも感謝しております。

 さて、久しぶりに投稿と言われても何を書いたらよいのか、普段の筆無精も手伝って悩む所ですが、たまたま最近出席した「危機管理セミナー」で知ったことを紹介しようと思います。

 大阪新聞社主催・産経グループ後援のこのセミナーは最初、企業の危機管理に関するものと思い参加したところ、国家の危機管理を主とするもので、その後の予定もあり、パネルディスカッションはやめて元内閣安全保障室長:佐々淳行氏の基調講演のみ拝聴した。

 感想を交えながら、紹介したい。

 日本において、危機はA ,B ,C ,D の4 種に分類され、それぞれ次のようになる。

 A :アトミック(原子力災害)

 チェルノブイリ事故が今でも記憶に新しいが、日本でもつい最近起きた。
 規模は小さいが当局の対応は悪く「臭いものに蓋をする」体質がそのまま出ており裁判沙汰にまでなっている。情けないと思う。

 B :バイオロジー(細菌、バクテリア、ウィルス等)

 エイズ=風土病はこの最たるもので世界に3,500 万の保菌者がいるという。
 ペニシリンの発見により肺炎が治るようになり、ストレプトマイシンにより結核が完 治するようになったのは皆さんご存じの通りであるが、23 歳以下の種痘もやめてしまっ たので今の若い人には免疫がなく、天然痘が流行ると大変なことになる。

 C :C は更に3 種に分類される。

 C1 :ケミカル(サリン、ダイオキシン、重油流出等)

 災害対策基本法に入っていないもので対応がマチマチ。それぞれの事件を思い起こしてもらえば、おもいあたる節があると思う。

 C2 :カルト(オウム真理教等)

 量殺人、自殺等日本の宗教団体の数は約20 万あり、オームみたいな異常集団によるDNA の操作を今一番恐れているところである。
 日本は文部省の所管、ソ連はKGB の所管・・・殺人や自殺が何で文部省の所管なのか理解に苦しむが、だから今の日本は対応が後手後手になるケースが多いのではなかろうかと思う。

 C3 :コンピューター(Y2K 、ハッカー等)

 言うまでもなく、EC (Electric Commerce )における個人情報のセキュリティの問題である。世界各国でインターネット犯罪が起きているが、良心的な(?)ハッカーに言わせれば「インターネットの脆弱性を世間に知らせたかった」ということでありプログラムの欠点を指摘するものであるがゆえに、不法侵入の処罰ですませて良いものかとも思う。もちろんその技術を駆使して、悪用するのは論外である。
 電子証明書を利用するPKI が今、注目されているが、早くEC を楽しく安心して手軽に利用できる世の中になってほしいものである。

 D :ディザスター(震災等)

 阪神淡路大震災が最も近い例である。日本では被災者を救うのに消防組織法が邪魔をし、自治体の首長と連携して救済するのに時間を要する。無線の周波数が違うというのもすぐ対応できるように思えるのだが・・・。自衛隊の問題もまた然り。震災後5 年以上経過したが、何も法律改正がなされていないのはどういうことかと思う。
 アメリカでは、FEMA が主導権を握っており、阪神淡路大震災の1 年前に起きたロサンゼルス地震のとき、死者は日本に比べてはるかに少ない64 人であったという。
 また、大統領も地震が起きてから15 分後には、事実を把握していたというから、この 違いは何故であろうか?

 危機管理は組織管理から、組織管理は自己管理から。

 日本の管理体制はまだまだ改善 の余地が多分にあると思われる。氏はこう言っておられた。

 「成功したら上を見ろ、失敗したら下を見ろ」これは、成功したらもっと良い方法を模索しろ、失敗したらそこから抜け出す方法だけでなく、それよりもっと悪い最悪のケースにならないか考えろということではないかと思う。日本の官僚(=指導者)はその逆の人が多いらしい。改善を図ってほしいものである。

 以上が、自分の主観を交えた概略である。一夜漬けの文章で誤字脱字等があったらご容赦願いたい。

 これからも、「街づくり」の一翼を担う1 ゼネコンの1 社員として分科会=勉強会にはできるだけ出席したいと思っているのでよろしくお願いしま〜す。


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