NPO 認証取得にあたって

地域デザイン研究会 代表   平峯悠

 地域デザイン研究会(以下「地デ研」)は、平成12年10 月13 日「特定非営利活動法人(NP0 法人)」として大阪府知事から認証された。任意団体である地デ研(泰山塾)の一部を法人化したものであるが、その意義及びこれからの方向について考えてみたい。

 現在、一般的にNPO というと市民活動団体やいわゆるボランティア団体を思い浮かべることが多いが、社団法人、財団法人等を含む公益的な民間非営利団体も広義のNPO と定義されている。NPO が日本で芽生えたのは阪神淡路大震災以後であったが、私達の地デ研が目指すのは広義のNPO に他ならない。

 地デ研(NPO 及び任意団体)は、まちづくりの供給者或いは送り手として多方面にわたる専門的知識を持った人達で構成されている。この組織がNPO として活動できる範囲或いは担うべき主な分野としては、

 @国及び地方公共団体の計画や事業の推進を調整し支援する。

 A住民・市民のまちづくり活動を専門的立場からサポートする。

 B地域に根ざしたまちづくりをコーディネートする。

等だと考えている。これらの活動は、現在NPOの主流であるいわゆる「市民・住民によるまちづくりNPO 」とは異なり範囲が広い。まちづくりが、国⇔府県⇔市町村⇔市民・住民等が双方向に関連していることを意識した活動範囲である。

 先ず@は、事業推進のため潤滑油の役割を果たそうとするものである。街づくりはこれからも行政が中心になることは間違いないが、特に国の計画や事業にあっては府県や市町村及び住民との間に横たわる溝と隙間が大きい。国の事業を無くしてしまうという極論も無いわけではないがそれは現実的ではない。国と地方という図式がある限り、建設省、道路公団、阪神公団、都市基盤整備公団等国の事業等を推進するためには我々のNPO が事業調整し、提案することは大いに意味がある。

 Aは、個々人の専門的知識の活用である。阪神淡路大震災ではコンサルタントや大学が市民、住民のまちづくりを専門的立場から支援したが、コンサルタントや大学も組織として常に多くの人材を抱えていることができず、また企業としてボランティアを続けることはできない。地デ研は専門家とコンサルタント及び行政等が合わさった組織であり、まちづくりのいかなる状況にも臨機に対応できる。

 Bは私達が目指しているゴールでもある。「地域や風土に根ざした個性と活力のある豊かなまち」それが求めるまちづくりである。そのためには行政はじめ企業、住民・市民の力を引き出し新しいまちづくりを提案し、その実現のための道筋を示すことが必要である。即ち街づくりをコーディネートすることである。

 これまで地デ研NPO としては、既に枚方市民フォーラム或いは阪神高速大和川線の事業調整等で専門的立場からの支援活動を行っているが、いずれも高い評価を得たと自負している。今後とも活動の場を一層広げていきたいと考えている。

 NPO 認証取得に当たっては、地デ研の一部の人がNPO の会員になったが、仕事の関係や時間的な問題から、今しばらく任意団体地デ研の会員のままでいるという皆さんも多いしそれも当然のことだと思う。しかし、これからの対外的な活動が増えてくるのに伴い、その活動内容に応じ適宜多くの人達の力を借りたいし、また情報を共有化することによりいつでも参加してもらえるようにしたいと考えている。

 アメリカではNPO の活動が活発になるのは不況のときであるという。雇用の機会が創出されるからであり、またそのNPO からベンチャー企業が生まれる。日本の景気は現在落ち込んでいるが、まだNPO に雇用の創出を期待できる環境にはない。しかし国及び地方公共団体の財政難、公共事業依存体質からの脱却、建設業界の経営環境の悪化など、今までの街づくりの組織や体制が崩壊していくのをみると、私たちが街づくりに関係するNPO として新たな枠組みを作って行かねばならないのではないかと思う。口幅ったいいい方をすると、新たな挑戦がはじまったと言えよう。どこかの政治家のように腰砕けにならないように頑張りたいと考えている。皆さんのご協力をお願いいたします。


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