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旅ゆけば・・・

亡き旅友と

大戸修二

昨年12月、長年の旅友でもあった無二の友が亡くなった。頚椎損傷の大けがで入院中だった彼が、電動ベッドで思い巡らせていた1つは次の旅のこと。病院に見舞いに行ったある日、彼から「退院したら車椅子で連れて行ってくれないか」と相談され、私は二つ返事で引き受けた。

初盆を迎えた今年夏、彼の奥さんから形見分けということで3着のセーターをいただいた。右の写真は形見の緑色のセーターを着た私。彼の真の思いはかなえられなかったが、形見の1着を私が着ることで亡き友との二人旅が実現した。 旅先は釧路。私が所属するNPOの北海道研修旅行が9月にあり、その1日をキャンセルするかたちでJR釧網本線に乗車。釧路→川湯温泉→塘路(釧路湿原)→釧路という日帰り旅を緑色のセーターを着て実行したわけである。道中で多くの同世代の旅人たちと話もできた。川湯温泉駅舎内の足湯で出会った一人は、現役引退後に始めた全国市町村踏破の旅を続行中という。皆それぞれに思い思いの旅を楽しんでいる。

川湯温泉からの帰路は塘路駅で下車し、観光仕立て列車「くしろ湿原ノロッコ号」に乗り換え、広大な湿原の絶景を堪能した。大自然はやはり素晴らしい。次の機会にも、亡き友と同行の旅をしてみようかと思っている。


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