旅ゆけば・・・

都市を訪ねる(4)~たつの市~

平峯 悠

「ふるさと」と並んで日本で最も親しまれている童謡は「赤とんぼ」であろう。その歌詞は旧龍野町出身の詩人三木露風の作である。町村合併により平成17年(2005)に誕生した「たつの市」が立地適正化計画広域連携都市圏播磨圏域に入っているという。私が知っているいわゆる龍野は揖保川沿いの5万3千石龍野藩の城下町で播磨の小京都と呼ばれる山紫水明の街である。この街と広域連携計画がどのように結びついているのであろうか。

2010年姫新線の本竜野駅に降り、あたりを見渡しても何もない地方都市の玄関口である。城下町跡を目指し右手にヒガシマル醬油の工場を見ながら約1.5㎞歩き、揖保川を渡って城下町に入る。旧城下に足を踏み入れると全く別世界に行ったように思える。現在では住民も定着し、赤とんぼの歌碑や小学校が生活の中に溶け込み、また地場産業の「ヒガシマル醤油発祥の記念館」「そうめん記念館」など懐かしい光景が現れる。この城下町跡と新市街地であるJR本竜野駅周辺などとのあまりの差異についてどのように考えればよいのか。旧城下を新しい住環境として活用するということを疎かにしているのではないか。

現在、たつの市の総人口は75,470人、町村合併後、城下町跡がどのように位置づけられているのか不明であるが、これからの都市づくりのためには、城下町の歴史的遺産として保存だけではなく、積極的に新しい居住地としての再生を図ることが求められているのではなかろうか。この素晴らしい歴史的地域資源をどのように立地適正化計画に組み込むかは新しい課題である。


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