連載企画

ゆけば・・・

定点観測

小西道信

 1月の第3土曜日の行き先は恒例の愛宕山詣である。月に1度のウォーキングに参加するようになって、今までに16回訪れたことになる。ここ何年かは、愛宕山の担当リーダーを務めている。

 JR嵯峨嵐山駅に集合。直前の車窓から眺めた愛宕山の景色で積雪の状況を思いやる。清滝までバスで行き、表参道を登るのが定番だ。愛宕神社にお参りした後、社務所前の休憩所で昼食。石段下で記念撮影して、月輪寺を経由するか、来た道を清滝に向け下山する。このコース参加者は10名前後。平成14年からは亀岡七福神巡りや嵐山散策などの「ゆったりコース」を併設して、2コースが京都駅でドッキング。20名程での反省会となる。レギュラーメンバーが大半だが、「年1回の体力測定」だと1月の山登りだけには欠かさず出席する人もいる。同じ時期、同じコース、似た顔ぶれの正に年1回の定点観測だ。

 しかし、毎回同じではない。今年は雪が多く、歩きだして10分でアイゼンを着けた。全然雪のない年、稜線で吹雪にあった年もあった。毎回どこでアイゼンを着けるか楽しみでもある。メンバーの平均年齢も徐々に高くなっていく。バスに乗りきれずその区間を歩いた往年のパワーが懐かしい。いろんなトラブルもあった。神社まで30分足らずの黒門まで来てガス欠に。アンパンはポパイのホウレンソウ効果を発揮してくれた。また昼食後、雪の積もった石段を下りている最中、両手にストックをついたまま立ち往生に。太ももの痙攣だった。運よく通りがかった女性が、「自己責任で飲んで」と「芍薬甘草湯」を下さった。おかげで自力で下山できた。迷子騒動もあった。昼食後石段下での集合を黒門下と勘違いし、後続が来ないので一人で下山してしまったとのこと。月輪寺コースと表参道コースの二手に分かれて追いかけ、バス停で合流できた。

 その日のハプニングは、反省会の最高のアテとなる。周囲に気を配れないのも、筋力低下・体の冷えも、思い込みも、みんな「カレー」と片付ける。年に1度、1月の第3土曜日に愛宕山に登るのは、体力と行動から自分の年齢を自覚でき、同時に「杉の枝に積もった雪がドサッと落ちる音とその後の静寂に感動できる」自分でいたいからかもしれない。


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