連載企画

ゆけば・・・

美山町


鯉のぼり

冬景色

鎌田 徹

 私はよく美山町へ出かける。国道162号(周山街道)を通って約75km、2時間ほどの行程。いまは京都縦貫道が通って、もっと便利になったが、あまり短縮されてはいない。

 美山町は2006年、園部町、八木町、日吉町と合併して南丹市美山町となった。美山町の魅力は、なんといっても日本の集落の原風景があること。山があり、そこから流れてくる水があり、それを管理する水路が縦横に張り巡らされており、それが目の前に広がる田や畑に注がれている。当たり前と言えば当たり前だが、これが訪れたいと思う原動力となっている。そして、人々が住む茅葺きの家がある。

 かやぶきの里「北」の集落には50戸のうち38棟がかやぶきの屋根。伝統的技法による建築物群を含めた歴史的景観の保存度への評価も高く、1993年12月に国の重要伝統的建造物群保存地区に選定された。また、美山町は「水の郷百選」に選定されている。国土交通省により地域固有の水をめぐる歴史文化や優れた水環境の保全に努め、水を活かしたまちづくりに優れた成果をあげている地域として、1996年に選定されている。

 ちいさな藍美術館というのがある。これは新道弘之さんという、高校の先輩である藍染め作家が、私設美術館として開館したもの。約15年前に同期生と共に訪ねたことがある。藍染めによりよい水を探し求めて美山に行き着いたとのこと。こんな人生もあるんだと思った。美山町観光協会のサイトでも紹介されている。

 直近に行ったのは2015年4月。そこには鯉のぼりがあった。お父さん、お母さん、そして子供達が鯉となって泳いでいる。子供達の成長を願う思いが感じられる。

 冬に行ったこともある。2006年1月、周山街道の雪道を途中で引っ返そうかと思ったが、とうとう行ってしまった。美山の冬景色は見事なもの。しかし、そこで生活するのは大変だと思う。たまに行くからこそ、いいのだろう。


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