読者の声

■再び原発問題

 遅まきながら、原発の防災計画でIAEA(国際原子力機関)の「深層防護」という考え方があることを知った。すなわち、過酷事故から住民への甚大な被害を避けるため、2重3重4重5重の安全対策を講じるということ。その概要は次の通りである。

 第1層は異常状態を防止するための建設・運転・保守の高い品質を確保する設計。第2層は異常運転の検知と制御を確保するための設計。第3層は設計基準内の事故、設計基準を超えた事故の対応、恒設機器による自動対応など。第4層はシビアアクシデント時の施設への対応。第5層は施設外の被害の緩和である。

 第1~第3層は、設計時に配慮すべきこと。第4層は、事故時に原発施設内で対応するマネジメント。第5層は、それでも施設外に被害を及ぼす場合に緊急に対応すべきこと。

 日本の原発の現状では、第4層も貧弱である。火災時の消防活動、施設内の消防施設が、地震により配水管破断した場合の対応に地元の消防が対応するにも、地震で道路が寸断されることが想定されていないことがある。

 第5層がさらに問題。そもそも避難計画は規制委員会の所管外とされている。避難路の確保はもちろん、輸送するバスの運転手も、平時から登録される必要がある。放射線に対する対応の事前レクチャー、被害にあった場合の社会補償。これらが完備される必要がある。

 いったん事故が起こると数十万人にも影響を及ぼすことを考えれば、仮に原発を稼働するとしても、第5層までを完璧に防護する必要がある。それができなければ、原発を稼働してはならないと私は思う。(T・K)


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