主張

縦割りと多様化・グローカル化、そして

「くにづくり・まちづくり」のための「出来事と評価」集約の提言

栁田保男

 1945(昭和20)年の敗戦に伴っての陸・海軍の崩壊から、2001(平成13)年の中央省庁再編成を経た縦割り行政の課題は、2000年代からの多様化(diversification)の波もあって、その方向づけの不透明性は増大している。また、グローバル化の波は、1989(平成元)年の東西冷戦の終結、1991(平成3)年のソ連崩壊とEUの創設をもたらす一方、ローカル化の波は、2001(平成13)年の米ハイジャック航空機突入、2013(平成25)年のIS樹立宣言、シリア内戦を背景とする移民(難民)の拡大と、2016(平成28)年Brexitをもたらすことになった。

 そして、「くにづくり」は、建設省・運輸省→国土交通省の主管で、1950(昭和25)年の国土総合開発法制定から2005(平成17)年の国土形成計画法への改正・改称を経て今日に至っているが、「まちづくり」は、1981(昭和56)年の「神戸市地区計画及びまちづくり協定等に関する条例」(住民参加の合意形成)を契機として、自治基本条例の制定が全国自治体に拡大していくことになった。つまり、1945(昭和20)年以降の世界の流れは、1973(昭和48)年のオイルショック、2008(平成20)年のリーマンショックを含めて、多様化・グローカル化で大きく揺れることになったといえよう。

 では、今後の「くにづくり・まちづくり」は、2014(平成26)年の“まち・ひと・しごと創生長期ビジョン-国民の「認識の共有」と「未来への選択」”、2016(平成28)年の“ニッポン一億総活躍プラン”、2014(平成26)年の“国土のグランドデザイン2050~対流促進型国土の形成~”、2015(平成27)年の“国土形成計画”でもっての対応が可能であろうか。GDPを評価基軸とする経済成長の「くにづくり」と多様化(合意形成)を評価軸とする「まちづくり」は、果たして共存できるのであろうか。

 孤立主義の代表とされている1823年の米の「モンロー主義」と1616(元和2)年の日本の「鎖国」以降の世界大戦を含めての流れからも、また、新たな経済大国となったロシアと中国、更にはアフリカ、南西太平洋、南米諸国の多様性に基づく紛争の懸念からも、2020~2030年が大きな転換期と想定するのが常識といえよう。そして、これへの対策は多々あることも、合意を得られるものは少ないということも明らかである。

 したがって、せめて国民の合意を得るためのデータの1つとして、現在流行の「IoT」を「ものを見る・考える」に置き換え、「もの=出来事」に「見る・考える=数値評価」として、長期的、多面的、根源的な立場で戦後70年を集約することを提言したい。


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