読者の声

■役所の仕事?!

  杭偽装事件、産廃カツの横流し事件、スキーバス事故。しょうもない事件が多すぎる。市場経済の仕組みができつつある「途上国」では起こっても、「先進国」の日本では、起こるはずがないと思っていたことが、起こっている。

  これらの事件の原因は何であろうか。昨今、日本で起こっている様々な事件の原因を考えたとき、「役所の仕事」へ行きつくことが実に多い。マスコミは、単に本人のモラルの低下で片付けているが、それは本質ではない。個人の責任感に頼ったふりをしてきた今までの仕組みに問題があるのだ。

  「役所の仕事」はなんのためにあるのだろうか。弱者対策から始まりいろいろあるが、第一に挙げなければならないのは、我々が生きている市場経済の社会において、その市場が切磋琢磨し、公正な競争をした結果、いいサービスを安価で提供しているときはいいのだが、その競争が過当になることで、そこで働いている人間の生活を脅かしたり、品質をごまかしたり、公害を垂れ流したりなどの問題を引き起こしかねない。市場競争だけに任せるのでなく、不具合が起こることを予測し、それが起こらないように手を打つのが、「役所の重要な仕事」なのである。

  そのために、役所はルールが守られているのかをチェックすることになる。今の日本は、このルールとチェックに問題があるのだ。

  先年起きた豊能町の残土崩壊事件を代表例に取り上げてみても、そのルールがあまりに緩く、業者への指導監督が権限をもってできないこと。同時に、それを守ることが業者任せになっていて、現場で実際にチェックすることが疎かになっていること。提出された証拠書類を盲目に信用しているとは思われないが、証拠書類さえあれば、役所に責任がかからないと考えているように思えるのだ。

  このルールは、政治家が立法化することになるが、政治家の問題意識の低さも障害となっている。また、チェックには役所の職員と体制が必要となるが、そもそも最も重要な仕事であるにもかかわらず、地味な仕事として片隅に押しやられてきた上に、役所バッシングで今や職員数も極限まで絞られ、とても現場を回ってチェックできる人数も足らない状態と思われる。

  今、必要なことは、ルールをきっちり作ること。役所の本来業務を再確認し、適正な規模の体制を整えること。また、チェック体制は費用対効果を考え、警察権を入れるとともに、ランダムに抜き打ちチェックすることとし、違反があったら、厳罰(見せしめ)に処する仕組みにするなどは当然のことだろう。これができなかったら、健全な市場経済の社会ができないのである。(T.O)


HOME  潮騒目次