REPORT

~プロジェクト研究会議~

「これからの都市計画を考える」を開催

  いま「まちづくり」はあっても、都市計画が云々されることがほとんどなくなってきた。もう、都市計画は不要なのか。国が進める立地適正化計画でも、既往の都市計画法を温存したままパッチワークのような法体系でよいのか。都市計画に携わってきた会員有志の積年の思いを形にすべく、平成26年に本研究会がスタートしたのは、本誌で紹介した通りだ。先号で報告した公開シンポを含め、これまで4回、多様な事象や側面について議論する場を持った。

●まず明確な都市像があるべき

●その実現に向けて働くのが都市計画家の仕事だ

  9月15日、おもにニュータウン開発についての知見を深めるべく、(財)都市活力研究所との共催で標記会議を開催した。講師は、彩都や京阪奈学研都市プロジェクトに永年関わってこられた佐藤健正氏(元市浦ハウジング&プランニング社長、現同社顧問)。参加者は23人。

  佐藤氏は、関西文化学術研究都市は、奥田東氏の強いリーダーシップで「わが国が人類的課題を解決する科学技術の研究開発を積極的に推進すべきであるとし」、「既成の学術研究組織に代わる新しい学術研究システムの構築と新しい都市づくりとを一体的に推進することを提案」、関西経済界が「関西復権」をめざし主導的役割を担ったものの、事業主体は三府県で、クラスター毎の都市づくりが進められた。まもなく着手30年を迎えるが、当初の理念を忘れてほしくないと強調。イギリスをはじめ国家事業として進められた欧米のニュータウン開発事例を紹介した。

  「都市計画とは、どのような生活、環境の都市をめざすかという都市像を明確にする――都市経営の哲学を持つ――ことが大切で、めざす都市像をつくるために働くのが都市計画の専門家の仕事。土地利用や市街地開発などの手法論中心のわが国の都市計画自体を再定義すべき」と、佐藤氏は思いを述べた。この言葉に参加者は「目から鱗」(平峯理事長)。会議後の懇親会も盛況で、京大応援部OBのエールで締めくくった。 (文責:道下弘子)


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