読者の声

●「半沢直樹」から何を学ぶ

 TVドラマ「半沢直樹」は、最終回42.2%の高視聴率で終わった。今回の「倍返し」ブームはサラリーマン世界の理不尽に対する心の中の忍従と面従腹背、下剋上の狭間の中での勧善懲悪に自分の夢を重ね合わせたからであろう。

 武士道の「義」は我、美しく生きる事を求め、義に殉じたいとの日本人の心である。歴史が証明しているのは赤穂浪士しかり、石田光成、大谷刑部、真田幸村は義に殉じて滅んでいる。一方、羽柴秀吉、徳川家康、小早川秀秋、黒田官兵衛は忍従と面従腹背で後世に生き残った。半沢は大和田に死に追いやられた父の復讐と企業悪に対決し、大和田を屈服させるが、このドラマの最高の妙味は、大和田は生き残り、半沢は出向で飛ばされるという結末である。

 原作者は、最後に世の中は甘くないと視聴者を親切に現実に引き戻してくれている。ヤクザ映画を見ると観客は肩を怒らせて劇場から出てくると言われるが、最終回を迎えるまで視聴者のサラリーマンは半沢になった気持ちで痛快に見ていたのだろう。半沢も取締役会で大和田に土下座させた後で辞表を叩き付ければ、「義」に生きれたものを。半沢の同期で家族を思いやり大和田に屈服した近藤の心の葛藤こそ、現実の問題として受け止めるべきではなかったか。

 皆さん、残る人生は「我、美しく生きる」潔い日本人として生き抜きませんか。

(堺の隠居)


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