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集落が育てる設計図

「アフリカ・インドネシアの住まい展」 開催中

「集落が育てる設計図-アフリカ・インドネシアの住まい展」がLIXILギャラリー大阪(大阪市中央区久太郎町4-1-3、伊藤忠ビル1階)で2月21日まで開催されている。世界の伝統的集落や住居の調査・研究を行ってきた東京大学生産技術研究所の藤井明研究室(建築計画学)の協力を得て、「土」からなるアフリカ、「木」からなるインドネシアの不思議で独創的な住まいを模型や図面、写真等で展示、民族ごとに異なる住まいのあり方を考察する。入場無料、水曜休館、1月30日~2月6日は臨時休館。     (大戸修二)

 藤井明研究室には40年をかけた調査・研究により、50カ国以上、500の集落データが蓄積。広範囲にわたる調査から、類似した風土の中でも民族や集落によって住まいの形に大きな違いが見られることが分かってきた。環境条件や伝統集落に住む人々の価値観によって、それぞれの住まいが彼らのアイデンティティとして育まれている。

 同展では、その最適例として西アフリカのサバンナとインドネシアのスンダ諸島の住まいを紹介している。

<西アフリカのサバンナ/土の住まい>

カメルーン・マンダラ山地
に住む
ヒデ族住居

インドネシア・スラウェシ島に住む
サダン・トラジャ族の住居

 豊富に手に入る土を素材に、人々が自らの手で作るために素朴で温もりのある有機的な形をしている。主人と複数の女性が暮らす一夫多妻制で、家族構成の変化に応じて棟や小屋を増やす複合住居「コンパウンド」が一般的なスタイル。

<インドネシアのスンダ諸島/木の住まい>

 樹木に恵まれ、素材は木や竹、ヤシ、茅が多く用いられる。高床3層構造が基本で、各層が地下界、地上界、天上界を象徴。最大の特徴は、神や祖霊が宿る神聖な空間として「屋根」に個々の集落や部族の独創性が現れている。

<主な展示>

▽衛星画像を用いた西アフリカとインドネシアの巨大地図=それぞれの地域、風土の違いが一目瞭然で、集落の立地条件がリアルに感じられる。

▽13点の住居模型=アフリカ6部族、インドネシア7部族、計13部族の住居模型を解説付きで展示。内部が見える工夫が施され、ミニチュアならではの楽しさが味わえる。

▽図面資料・映像=集落調査後にスケッチされたアクソノメトリック図(立体図面)や平面図など貴重な図面資料を展示。直筆ならではの味わいのある線描写で、それぞれの詳細が明らかになる。

ブックレットを発刊

 主催者のLIXILギャラリー企画委員会では今回の企画展を冊子にまとめ、LIXILBOOKLET「集落が育てる設計図 アフリカ・インドネシアの住まい」として発刊した。税込価格1,890円。同書の中で藤井明氏は、「共同体の人々はなぜ、他と異なるような集落や住居を造るのであろうか。・・・差違性を意識しつつ、伝統的な集落や住居における居住文化を見ることは、人間の構想力の豊かさを実感する上で重要な体験になる」と述べている。


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