私の一冊

NPO×企業 協働の勧め

岸田眞代:編者 サンライズ出版:発行

推薦者:大戸修二

 NPOと企業の協働事業から優秀事例を顕彰する「第9回日本パートナーシップ大賞」の最終審査・表彰式が12月1日、実家に近い中京大学で行われた。会場で販売していたのがこの本である。

 3部構成からなり、第1部では2011年の「第8回パートナーシップ大賞」受賞事例を詳しく紹介。事例の中身を読んでみると、さまざまな課題への工夫やアクティブな挑戦を含め、「協働」とはこういうことなのだと納得させられる。一方で、行政主導の域を越えて、NPOと企業の協働が地域や社会を変える時代に入ったことが伝わってくる。第2部では、協働を推進する各段階の課題を明確化し、ステップアップのための指針を示している。

 協働のまちづくり・社会づくりに不可欠なのが、「目的意識を共有し、共通の目標に向かって力を尽くす」パートナーシップに基づいた連携の重要性だ。今回の2012年同賞には全国から33件の応募があり、最終審査に残ったのが6件。私も最終審査の会場に出向き、6件のプレゼンテーションに興味深く聴き入った。

 審査の結果、グランプリを受賞したのが三重県多気町の相可高校(生産経済科)生徒たちが立ち上げたNPO「植える美ing」と地元企業「万協製薬」が取り組んだ「まごコスメプロジェクト」事業。地元特産の伊勢茶・柿葉・みかんのエキスや香りを活用、ハンドクリームなどスキンケア商品を開発した。

 開発コンセプトは『お母さんやおばあちゃん、女性が使い、幸せになってもらう』こと。NPOの生徒たちは世界ブランドのハンドジェルを目指しており、これまでに6万個以上を売り上げたという。販売利益はNPOに寄付され、園芸を通した地域貢献活動などに役立てられる。


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