<4>震災廃棄物と都市再生

小山二生

 地域デザイン研究会の東北現地シンポジウム「東日本大震災と復興の現状と課題」に参加して、UR都市機構より復興の現状と課題について説明を受け、東日本大震災の跡地のまちづくりについて中心的役割を果たしていることと、新たな整備方式等(CM方式=コンストラクションマネージメント、設計・施工一括発注方式)を踏まえ、事業に向かって進んでいることがよく理解できました。


津波による住宅地の跡地(遠方の地平線上にガレキの山がある)

 このような中で、現地視察をするとあちらこちらで震災ゴミの山(ガレキ等混合廃棄物)が見られるとともに、津波に押し流されたまちでは住宅、工場、事務所等の基礎等が残っている状況でした。(後には、これらも震災ゴミとしての廃棄物となる)

 これらのゴミ(廃棄物)が適切に撤去、処理、処分されない以上、新たな復興まちづくりの事業は進まないと思いました。

 まず、最初に廃棄物についての一般的な知識を整理したいと思います。

 廃棄物は、一般廃棄物と産業廃棄物に分けられ、一般廃棄物は主に家庭系ゴミ等(可燃ゴミ、不燃ゴミ等)があげられ、産業廃棄物は主に事業活動に伴って生じた廃棄物のうち法令で定められた20種類があげられます。この廃棄物の事業主体は主に一般廃棄物は行政、産業廃棄物は民間事業者となっています。これらは廃棄物の処理及び清掃に関する法律によって位置づけられています。

 今回の大震災後の廃棄物は、環境省から一般廃棄物として取り扱うこととなったと私は聞いています。

 この廃棄物の主な処理については、廃棄物の適正な分別→保管→収集→運搬→再生→処理といった流れがあり、今回震災の規模からすれば、行政の現状の処理能力では対応できないと思います。また、一般廃棄物としたことにより、民間事業者の協力を得ることが難しいため、震災ゴミの処理の遅れにつながっているのではないかと思っています。(民間の産業廃棄物事業者でも、わずかではあるが一般廃棄物の取り扱いができる事業者はある)

 参加メンバーの立間さん坂口さんと共に、昨年から稼働し始めた中間処理施設を視察、大林組の神道設計部長と現場所長から案内を受けました。

 この施設は亘理町に大林組、戸田建設、地元ゼネコンの企業体で行政からの支援をもとにつくられ、震災の廃棄物を処理する大規模な施設です。これと同様の施設を他の地区においても鹿島、清水建設、地元ゼネコンの企業体でつくられ、視察途中の車中から稼動している状況を見ることができました。


中間処理施設の全景

中間処理施設のエリア区分

 この施設の中で、重機による粗選別、風力選別、磁力選別、手選別、破砕、焼却等が行われ、その後リサイクル、復興資材、有価売却、最終処分(埋立等)により処分されます。このような大規模施設がいくつかあっても全廃棄物を処理するには10年以上かかると言われています。


トラックによるゴミの搬入

重機による選別

 環境省の資料によると首都圏の産業廃棄物は北海道、東北地方、九州地方、中部地方等へ搬出されていることから、東北地方にも多数の中間処理施設、最終処分場(埋立等)があるものと思われます。これら民間企業との連携が図れるよう法の整備を行い、一刻も早く震災廃棄物を取り除き、UR都市機構等が活躍できる素地をつくることが最重要課題であり、まちの復興への近道であると思います。