REPORT

「神々の国しまねの神楽」を鑑賞

~STUDY21 オープンFWレポート

STUDY21分科会 小西道信

 9月2日、京都芸術座での「神々の国しまねの神楽鑑賞」に参加した。葉書8枚で申し込み、抽選の結果、確保できた入場券は2日目の2枚。500人強収容の1階は、開場30分前でほぼ満席。2階のバルコニー席へも誘導されていた。観客のプロフィールは9割以上が50歳オーバー。そして9割近くが女性。上演中携帯電話が2回なったのはご愛嬌。私語はほとんどなし。熱演への拍手とアンケートへの回答書きも熱心だった。

 参加のきっかけは、平成18年「出雲・石見現地視察」の際見た神楽の「八岐大蛇」の印象が強烈だったこと、さらにSTUDY21分科会は、宗教施設の維持や祭りを継承することが地域への求心力になっていることに注目してきたこと。

 2日目の公演は、佐田神能の流れを汲みつつ島根で旧国別に三分派して発展してきた石見神楽、隠岐神楽の二つ。出雲神楽は1日目だった。前者は、新進気鋭のスタイル。八調子と呼ばれる急速なテンポに乗ってきらびやかな衣装での勇壮・華麗な舞と花火やドライアイスも使って舞台を盛り上げる。後者は、祈祷神楽の伝統を継承し、一間四方の天蓋の下でゆったりとしたリズムで舞う。特に印象に残った神楽は、「巫女舞」。二人の巫女が天蓋の下の一間四方の舞台を「ドン・ドン・チャカ・チャカ・ドーン・チャ・チャン」の囃子の間に2歩、10歩で一辺を歩む。ゆったりとそして厳かに神を迎える様子がよかった。

 全国で230の神楽団があるとの紹介があった。出雲の地でも同じ神楽の流れを汲みながら地域・地域で異なる発展をとげてきた。隠岐神楽の特徴は、神社祭礼時だけでなく、村を挙げての大漁・安全祈願、雨乞い祈願から個人の病気平癒祈願等でも神楽が行われてきたこと。これは、祈祷師的な「社家」と呼ばれる神楽太夫が、神楽の担い手だったこともあり、久見では、明治の時代に近隣の神楽太夫から神楽の教授を受けている。久見は、隠岐の島でも最も北に位置する地。厳しい環境の中、地元の神楽団を結成し引継いできたのもうなずける気がする。保持者会の会長が「後継者が続くことの喜び」を語ったのが印象的だった。

神楽(かぐら)は、神社の祭礼時に神楽殿などで行われる歌舞・舞楽などの芸能であるというのが一般的です。

A:「神楽」ご覧になったこと有りますか?

B:「神楽」って辛気臭くない?

A: いいえ、テーマは古いけど今につながるものがありますよ。太鼓と銅拍子が奏でるリズムと笛のスイングも最高。

B: まちとどう関係があるの?

A: それがあるんです。「神楽」は、人を集めるだけでなく地域の人を結びつけるコア、いわば「心の拠り所」になっています。

<鑑賞会概要>

◇日時:平成24年9月2日

◇場所:京都芸術座(京都造形芸術大学内)

◇テーマ:神々の国しまねの神楽鑑賞     古事記1300年 大出雲展関連イベント

◇主催:京都国立博物館、島根県他

◇出演者:島後久見神楽保持者会     石見温泉津舞子連中     京都瓜生山舞子連中

◇参加者:STUDY21分科会2名


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