2000年ワークショップ
文責 今中昌男

まちと個性分科会 研究の狙いと経過

1.研究方針(1999年3月4日)

前年は1回完結型で分科会を実施したが消化不良気味であったため、一つのテーマを2から3回の分科会でまとめていくスタイルで運営。
テーマごとに同じ属性を持った地域を選び、比較しながらその地域の持つ個性を探る。

テーマ
(1) 歴史的まちなみを持ったまちの個性 ・・…富田林、久宝寺、平野
(2) 密集市街地でのまちの個性 ・・…生野区南部、寝屋川市
(3) ニュータウンでのまちの個性 ・・…香里ニュータウン、ウッディータウン
(4) 旧来からの住宅地でのまちの個性 ・・…福島区西野田、大東市御領
(5) 中心商業地区でのまちの個性 ・・…アメリカ村、道頓堀

2. 歴史的まちなみを持ったまちの個性

(1) 富田林と久宝寺の現地踏査(1999年6月12日)
(2) 富田林と久宝寺の個性  (1999年7月8日)
(3) 平野と貝塚の現地踏査  (1999年8月22日)
(4) 歴史的まちなみを持ったまちの個性(1999年10月8日)

研究の視点
(1)歴史的まちなみという個性がまちづくり、特に人々のまちへの意識にどのような影響を与えているのだろうか?
(2)歴史的まちなみを博物館的に保存するのではなく、まちづくりの中に活かしながら保存していくためにはどうすればいいのだろうか?
(3)歴史的まちなみを中心市街地活性化のアイテムとすることができないか?

現地踏査を踏まえた知見
(1) 富田林でのまち案内ボランティアの方々
多くはお年寄り、おばさんであったがいきいきと自分たちのまちを案内している。

→ まちへの誇りが環境の質を保つことに繋がる。

(2) 富田林での漆塗りの店のご主人
わざわざ古い町屋を借りて、工芸品(漆塗り)の販売と教室の運営を行っている。

→ 歴史的まちなみを精神的、経済的に評価する人の利用が生きたまちなみ保存に繋がる。

(3) 平野のまちぐるみ博物館運動の驚き
・ 住んでいる人のための運動であり、
・ まず、自分たちの町を良く知り、良さを発見する。
・ そして、住んでいる人の意識を変えていく。

→ まちの資源を見つけることがまちに誇りを持つことに繋がる。

* 平野の詳細に関しては高岡邦彦氏の労作「平野町ぐるみ博物館等見てある記」があります。

(4) 大阪人の気安さ
富田林や貝塚では歴史的まちなみを見学していると住んでいる方に呼び止められる。
そして、わざわざ家の内部の案内をしてもらえた。→ このような気質はまちづくりを考える上でいい方向に働くのでは?

3. 密集市街地でのまちの個性

(1) 生野区南部と寝屋川市(萱島、大利)の現地踏査(1999年11月13日)
(2) 生野区南部と寝屋川市(萱島、大利)の個性  (1999年12月6日)
(3) 兵庫区浜山地区の現地踏査          (2000年2月19日 予定)

研究の視点
(1) 密集市街地の求められるまちの個性とはどのようなものだろうか?
(2) 計画的な公的開発はまちの個性を変えることが出来るのだろうか?
(3) まちの個性を作ることによって、まちの環境を変えていけるのだろうか?

現地踏査を踏まえた知見

寝屋川市(萱島、大利地区)
(1) 「密集市街地の個性」とは?
「密集市街地」と聞くとやはり冒頭に悪いイメージが思い浮かぶ。その中で「良い個性」を見出し、それらを残し又は育みながらまちづくりを進めるべきであると思うが、それがなかなか見つからない。従前はあったと思われる住民のコミュニティも、現在では失われつつある。
高度成長期、労働者の塒(ねぐら)として短期間に形成され、その後の急激な社会変化(生活様式、等)により、まちとして熟成せぬまま衰退期を迎えた。

→歴史のない、にわかづくりのまちには、個性をかもし出す資源は見つけにくい。

→駅前至便などの立地条件を活かし、「新住民」と「旧住民」の交流を図りながら、新しいまちの個性を見出す。

(2) 公的開発の役割
種地を活用した公的開発は、府営住宅や公社住宅だけではなく定期借地権方式や住民参加型のコーポラティブハウスなど、多様なニーズに対応している。

→住民参加型のまちづくりにより、新たなまちの個性が生まれることに期待する。

生野区南部地区
(1)「まちの個性」を見つける
戦前からの老朽家屋が密集しているが、大部分は区画整理が行われており比較的道路が整っている。
俊徳街道や桑津街道が地区内を通過しており、歴史的資源が残っている。

→「まちの資源」を見つけることは個性化の第1歩である。

(2)まちの個性化と住民意識
俊徳道せせらぎ広場は住民参加(ワークショップ方式)により整備された「まちか ど広場」。管理も住民によって行われている。

→住民参加方式により、住民のまちづくりに関する意識の向上が図られる。

全 般
密集市街地のまちづくりにおける動機付け

→古くからのコミュニティや地域の文化・歴史を活かすなど、住民がまちづくりへ参加する多様な動機付けが必要。




*当日配布した「参考資料」が必要な方は住友信託銀行今中(Tel6220-2756)まで照会下さい。